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言葉の繰り返し
先日、養老孟司さんと阿川佐和子さんの対談本を読んでいたら、とても興味深いことが書いてありました。
ミラーニューロン
ミラーニューロンについてはご存知の方も多いと思います。簡単に言えば、悲しそうな人を見ると、見ている側の脳もその人の脳と同じ部位が刺激されて、悲しくなるということですね。
ご機嫌な人といるとこちらもご機嫌になってくるし、不機嫌な人といるとなんとなくこちらも不機嫌になる。鏡のように、相手の神経系の働きをこちらの神経系が写し取るわけです。だから、ミラーニューロン。で、これは、感情だけでなく、言語機能にもあてはまる現象だと養老さんは推論しています。
「ねぇ、プロ野球はどこのファン?」
「巨人ファン」
「あ、巨人ファンなの」
最後の繰り返しの部分は、もともと放っておけばミラーニューロンがオンになって、勝手に口をついて出るということですね。「巨人ファン」と言ったときに発火した相手のニューロンをこちらの脳も写し取って発火する。いちいち「巨人ファンと繰り返そう」なんて思わなくても、脳はそれを繰り返すということです。
「感情を共有してもらえると嬉しいのと同じように、言葉を共有してもらえるとやはり嬉しい」
そう養老さんは言っています。
ペーシング
さて、相手の言葉を繰り返し、親和性を高めようとする試みのことをコーチングではペーシングと呼んでいます。このペーシング、自分の経験から言いますと、相手をコントロールしたいとか、最後は自分のことを聞き入れてほしいとか、思惑が強く働いてしまうと、「わざとらしい」響きを帯びてしまうような気がします。
そういうときは、きっとミラーニューロンがスイッチオンになっていないのでしょう。結果、相手と言葉でつながり合うということができなくなる。
一方、無心で相手と向かい合っているときは、ペーシングは意図せずとも自然に起こり、どんどん話は盛り上がります。ミラーニューロンが使えているんですね。
ペーシングは、起こるに任せるのがどうもいいようです。そして、それには、さまざまな思惑を一旦脇に置いて話を聞く練習をする必要があるのかもしれません。
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