Coach's VIEW

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未来は「今ここ」でつくっている

私には3人の娘がいます。長女が中学1年生のとき、プチ反抗期になりました。

夫から「コーチなんだから、長女にコーチしてよ」と言われ、「社長は家族にはコーチしないって言ってたんだけど…」とぼやきながらも、なんとなく娘のことが気になっていたのでコーチングをすることにしました。

どんな風に娘を説得したのかは覚えていないのですが、当時3歳と5歳の下の子たちが完全に寝た後、22時半から毎日15分、コーチングの時間をとることを娘と約束しました。

1日目、まずはコーチングとは何かの説明から。コーチは教えないし、アドバイスもしないし、善し悪しも判断しないよと。娘は聞いているのか聞いていないのか分からない感じでその日は終了。

2日目、コーチングなのだから目標を設定しようと伝え、「理想的にはどんな中学生活を過ごしたいの?」「将来の夢は?」と聞いたところで、「どうせお母さんは勉強しろって言いたいんでしょ!? 回りくどいんだけど」との返答。コーチに徹しようと思っていたので、なんでそんな返事が返ってくるのか全く分からず、困惑のうちに終了。

3日目、いきなり目標を聞いたのがよくなかったのかなと、まずは娘のことをよく知ろうと、「どういう時が楽しいの?」「どういう時が一番ワクワクするの?」と聞いたら、「今は楽しくないしワクワクしないけど」と返答があって撃沈。

4日目、信頼関係を再構築せねばと、娘が頑張っていることや強みだと思うところを伝えてみるも、「何がしたいわけ?」と言われる始末。

それでも、コーチングスキルを駆使していろんな角度から問いを投げてみる日々を続けるも、手ごたえなし。ますます気まずい沈黙も増え、どうにも居心地がわるい時間が過ぎていきました。

対話の一丁目一番地

コーチングを始めて10日くらい経ったとき、会社の飲み会でうっかり遅くまで飲んでしまい、酔っぱらって帰宅。玄関のドアを開けると、むすっとした表情で腕を組みながら仁王立ちになっている娘がいました。

慌ててスマホを見ると、約束の22時半を越えています。
さらに、未読のショートメッセージがたくさんあることにも気づきました。
「今日はやらないの?」「いつ帰ってくるの?」「なんで返事ないの?」「どうしたの?」…

再び不機嫌な娘の顔を見て、「ごめんなさい」と謝りました。

「約束を破るのは良くない」

そう言うと、娘はブツブツ言いながら部屋に戻っていきました。

その様子を見届けながら、胸の奥がじわっと熱くなるのを感じました。

ーー今日は煩わしいのがいなくてよかった、じゃなくて、怒るんだ…。
ーー下の子2人に手がかかりっきりだったけど、本当は長女も一緒にいたかったのかもしれない…。

その出来事を境に、
「こんな質問をしたら違う意味で受け取られたりしないかな…」
「もっと違うことに焦点を当てた方がいいかな…」

そんなことでいっぱいだった頭の中が空っぽになって、ただ一緒に、娘とその場にいられるようになりました。沈黙も苦痛ではなくなりました。そして、私たちの関係性は変わり始めていったのです。

後日、コーチ・エィ創業者のメルマガを読んで、腑に落ちました。
そこには、こう書いてありました。

“対話の一丁目一番地は、何といっても、「時間をとって」、そこに「一緒にいる」ことです。
そして二丁目は「相手をコントロールしようという気持ちを放棄した時」かもしれません。”
(itoh.com News 2022/03/18より抜粋)

あなたと話をしたい人は?

このようなことが、部下や同僚との間でもないでしょうか?目の前のことに追われ、日々があっという間に過ぎていく中で、そうした一つひとつに気づくのは簡単なことではありません。

しかし、あなたの周りにいる人、あなたの目の前にいる人のそうした思いを聞くことなくして、理想の組織の実現などありえない気がします。
未来は、「今ここ」の対話でつくっているのだと思います。

さて、娘とのその後ですが、コーチングは、毎日から週1回になり、隔週になり…と頻度は変わりつつも続き、7年以上経った今では娘の方から「コーチングモードで聞いて欲しいんだけど…」と話しにきます。勉強のこと、バイトのこと、友達関係のこと、将来のこと。安心してなんでも話してくれているようです。「ただ時間をとって一緒にいる」、その時間を重ねてきたことが、今のこの関係をつくっているのだと思います。

私がそうだったように、大切な人が「本当はもっと話したい」と思っている気持ちに、あなたはまだ気づかないでいるかもしれません。

時間をとって、あなたと一緒にいたいと思っている人は誰ですか?
「今ここ」で、誰と未来をつくりますか?

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